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執筆者の写真Takayuki

不動産投資 競売落札物件から収益性を考える




今回は本日3月12日に開札が行われました大阪地裁本庁の開札物件の落札結果より収益物件として魅力があるのか否か?

また、入札していた時の考え方やリスクなども併せてみていきたいと思います。


今回の物件は

摂津市北別府町の連棟式建物です。


売却基準価額は317万円になっています。

買受可能価額は約253万円です。


この物件の落札された内容は

落札の札数は3件でした。

落札者は個人のようです。

個人の場合は、個人の不動産屋も含まれるため、一般の方か不動産屋なのかわかりませんが、ここでは一般の個人として捉えてお話を進めていきます。


落札価格は

281万円でした。


 

近隣の賃料を見ると目安として5.5万円です。

後は室内などの改装程度により賃料設定を考えることとなりそうです。


では、賃料5.5万円とした場合での収益性を見ると


5.5万×12ヵ月=66万円

66万円÷281万円×100=23.48%(表面利回り)

※登記費用・不動産取得税は考慮していません。


表面の利回りが23%以上なので悪くはないですよね。


 

ここでの選択肢が二つ。

①今の占有者に住み続けてもらう。

②速やかに退去してもらい新たに改装して賃貸で募集をする。


今回のケースで考えられるのは①のケースですよね。

退去されてしまった後の改装費は200万円程度はかかりそうなので、そうなると収益性としては低くなります。

落札価格と改装費を足して500万円とすると、13.2%となります。

※改装費の件については下記でご説明しています。


この場合の対策として、

恐らく入札された3名は、今の方が住み続けてもらうことを前提として入札されている方ではないかと推測します。

そうなると、落札後に退去されることがリスクですよね。

通常の入札では行わいのですが、入札前に占有者と会う機会を作るのも一つです。

その時に近隣の賃料相場の話をしてお支払できるのか否かの確認をして、支払いが可能と判断すれば、落札後は賃料を支払うことで住まわせるのも一つです。一番経費がかかりません。

しかし、今回の物件の内容から見ると毎月の支払はそんなに高額ではないことが予測できます。

そうなると、そのまま住み続けたとして家賃を支払ってもらえるかどうかが心配です。


そのリスクを検討したうえで入札するのが大切です。

その点がクリアになれば退去後の改装費はかかりますが、住み続けてくれる間は家賃が入りますので多少のリスクを承知の上で進めるのは面白い物件だと言えますね。




では、ここからは物件の内容を見ていきます。


買受可能価額よりかは上での入札ですが、売却基準を下回る結果だったようです。

ではなぜ下回っているのかを3点資料より見ていきたいと思います。


■物件情報

 摂津市北別府町

 土地が2筆、建物1筆の計3筆です。

 土地はそれぞれ所有権として持っています。

 土地の面積は52.38㎡

 建物は木造かわらぶきの2階建てです。

 1階26.47㎡、2階24.07㎡合計50.54㎡(登記記録)

 建物は昭和47年6月の建築です。

 間取りは3DKです。

 前面道路は幅員4.9m(42条1項1号道路です)

 間口は約4.6m。奥行約12.9m。

 建築確認はありますが、検査済み証はありません。

 最寄駅は阪急京都線「正雀」駅。南東方1300m徒歩17分です。

 駐車場はありません。

 ライフラインは上下水道、電気です。ガス配管はありません。

 物件の管理状況は「不良」とのコメントが記載されています。

 固定資産税・都市計画税は25,740円です。


■占有状況について

 夫婦二人での住まい。プラス猫が1匹

 台風のあと屋根瓦の損傷により雨漏れがあり。現在はブルーシートで対応。

 のちに屋根改修の費用が必要となります。

 1階の和室の壁面に損傷個所あり。

 1階のDK天井の壁紙が剥離。

 1階の玄関先の廊下の床面で撓みがあり。

 2階の和室の壁面にクラックあり。

 軒先の樹木が道路まで伸びている。

■室内写真より

 上記の損傷個所などが写真でも写していました。

 天井に至っては雨漏りにより天井が下がってるのがわかります。

 かなりの雨漏りがしたことが伺えます。

 屋根、室内改修も原状回復するためだけでも200万近くは最低必要になりそうです。

 設備等を入れ替える必要が出てくると尚更費用が掛かりそうです。


上記より、落札後の転売するには収益性が見込めないため転売会社の入札は積極的ではなかったと考えられます。

また、退去後のリスクを考えると改修費が高いため空室のリスクも考えると全般的に積極的に入札者が現れなかったと思います。

すべての状況からみると5段階評価するならば(1は消極的~5は積極的)間の3の評価ですね。

出口を考えると

①占有者に賃貸として貸し出して住み続けてもらう。

②隣接する家屋の方に買い取ってもらう。もしくは隣接する住戸を購入。

この2点に絞られそうです。

①で済み続けてもらえるといっても屋根の改修だけは最低限しておかないと退去された後にさらに室内の被害が拡大しそうなので、その辺の費用をどうするか?それも占有者と話し合いが必要になりそうです。


以上のことから、出口での戦略をどう考えるかで札数に影響を及ぼしたと考えます。

また、それなりにリスクがあるからこそ、入札数、落札価額が低いと言えますね。


少しでも安く落札しようとお考えの場合は、リスクがあるものを見てみる。リスクがあるなかでもご自身で解決できるレベルか否かを見極めて入札されてみてはいかがでしょう?

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