前回では私個人がシミュレーションしている区分のファミリーマンションの開札結果について書かせて頂きました。
今回は3月10日の記事で不動産競売のシミュレーションを行った案件の開札結果を見ていきたいと思います。
取り上げた事例は区分の1Rマンションでした。
では、前回の入札時の記事を踏まえながら見ていきましょう。
3月10日の記事はこちらです。
https://www.fujimoto-home.com/post/不動産投資物件-競売物件
取り上げた事例のサンプルは
大阪地裁本庁管轄 令和2年4月6日開札分です。
物件番号 令和1年(ケ)第722号
売却基準価額187万円
買受申し出保証額38万円
買受可能価額149.6万円
最寄駅
阪急宝塚線 三国駅より南方へ道路距離900m
徒歩約12分くらいです。
阪急神戸線の神崎川、十三までも徒歩15分程度の立地です。
■物件所在
大阪市淀川区野中北一丁目13番地9
■物件種別
区分所有建物
■種類
居宅
■構造
鉄筋コンクリート造
■階数
4階(角住居)
■専有面積
14.75㎡(公簿)
■間取り
1K
■管理費等
10,660円
■占有者
あり。賃借人
■築年数
昭和62年9月
最先の賃借権が付いた事例でしたので、落札しても賃借人はそのまま住み続けられる権利でした。
では、開札結果はいかに・・・BITの落札結果から見てみます。
■開札結果:売却
※売却とは、競売が成立したことを示しています。入札が入らなければ「不売」と表示されます。
■入札者数:5
※数字のままで、その数が入札に参加されたこととなります。
ちなみに入札書に同封する添付書類が不足していた。
様式に記載する事項に誤りがあった。
このような場合は入札を行っても要件不足で入札参加にはなりません。競売の落札会場で読み上げがされるのでそちらに参加されると執行官が読み上げ時に、たまに言ってます。
■落札者資格:法人
※会社組織で入札をされた場合は「法人」、個人や個人事業主の入札は「個人」と表示されます。
■売却価額:2,512,345円
以上の結果となりました。
ちなみに、私が入札予測を立てた額は
3月10日記事より転記
「表面利回り15%あたりで検討できるなら入札額は280万円までといったところでしょうか。」
300万前後が目安かもしれません。
見事に落札してしまいました。
※シミュレーションのため実際には入札をしていないので落札もしておりませんが・・・
この結果だけを見るとやはり利回りを高く維持するためにどれだけギリギリで安く入札できるのか?そのシビアさを感じました。
では、実際に今回の落札額で利回りを見てみると
年間収入は457,200円でした。
以下、3点セットの収入より
①
家賃3万×12ヶ月=36万円
水道代2100円×12ヶ月=25,200円
共益費6000円×12ヶ月=72,000円
②
支出は年間
管理費等13,160円×12ヶ月=157,920円
③
物件の滞納金
滞納額(凡そで27万円)
表面利回りでの計算ですが、
457,200円÷(2,512,345円+270,000円)×100=16.4%
このようになりました。
結果から読み取れるのは表面利回り15%以上を見込んで入札されているということですね。
恐らく一番安く入札された方は最低基準価格で入札された方がいてると思われます。
一般的な実需の物件では金額が高騰しておりますが、収益物件では投資家思考の方が対象者となるかと思いますので突出して高い金額での入札は少ないかもしれませんね。今後の動向を見ることが大切かと思います。
裏返しの結果で見ると20%以上の利回りを取るのは難しいかもしれないということがわかりました。
もともと賃借人が住んでいるため賃料は決まっておりますので落札当初から収益が生まれる安心感はあるものの、それ以上の期待は持てないのも事実です。
また、リスクとして考えておかないといけないのが、自身に名義が変更後に退去されてしまわないかどうか?
賃借人の情報がほぼない状態の為、どれくらい住んでいただけるかわかりません。
その点を考えると少しでも高い利回りを得られる物件を探し出すことが大切ですね。
少し余談の話になりますが、
今回の開札で最多入札数は29件の札数が入りました。
物件は「大阪市都島区の土地です」
しかも落札者資格は個人になっていました。
先ほども書きました通り、「個人」と記載されると一般の個人の方か個人の不動産会社かまではわかりません。
恐らく個人の不動産会社ではないかと思います。
落札金額も
■売却基準価額15,680,000円
■売却価額34,909,000円
倍率だけで見ると、売却基準価格の約2.2倍での落札となりました。
今回の中では飛びぬけた結果でしたね。
総物件数が43件のうち、
■入札件数が1人入札:3件
■入札件数が2人入札:4件
合計7件ありました。
入札する物件の内容はさておき、単に落札だけの部分に着目すると、約6分の1の確率で落札できる物件があるということです。
投資物件として捉える物件と転売用として捉える物件
二本立てで見ることができれば、まだまだ不動産での収益を得るチャンスが競売ビジネスに眠っている可能性がありますね。
Comments