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執筆者の写真Takayuki

不動産契約書を読み解く6



前回に引き続き契約書の条文のお話を書かせて頂きます。


今回も契約書の条文を見ていきます。

ここで書いている内容は私が使用している、見たことがある契約書について勝手に書いています。ここに書いていることがすべてではありませんし、ここに書いていないからその契約書が間違っているわけでもありません。

契約書を提供している先が作成したものを我々はひな形として使用していますので、くれぐれも偏った見方にならないようにお願いします。



■融資利用について

金融機関の借入をする際には必ず入れておかなければいけない条文です。

内容は、ローンの借り入れ申し込みを行い、ローンの承認が下りなければこの契約は無効になることを定めています。

一般的な住宅の購入をされる際は、先に事前審査を行い、事前審査の回答でOKがでてから契約に進みます。

この事前審査の承認がでれば本審査の申込までに何事もなければ本審査もほぼ通っています。ただし、その間に借り入れなどをしてしまったりすると本審査の承認が下りないなどの問題がでてきますので、くれぐれも本審査の承認が下りるまでは何もしないのがよいです。


○事前審査について

なぜ事前審査を行うのか?

先に手付金を支払って契約を済ませたとしても、銀行の審査の承認が下りなければ契約をした意味がありません。

契約をするということは、売主、買主、仲介会社、銀行などそれぞれ忙しい中、時間と労力をかけて行うわけですから、なるべくスムーズに進められることを重視しています。

なので、ご本人さんが住宅ローンを借りられるかどうかの確認もありますし、現在のご収入等でご希望の予算の物件が購入できるのか否かの確認をする意味もあります。


○事前審査の注意事項

・携帯電話の割賦払いの延滞

ひと昔は携帯の買取金額も高額でなかったので、買取、割賦払いと選択される方がいてたかと思います。

買取をされている方は問題ないのですが、月々の割賦払いをしている方。口座にお金の入金をするのを忘れたがために延滞してしまったそんな方はいてませんか?

これも立派なローンとして金融機関は見てきます。なので、直近2~3年の間でそのような延滞が付くと住宅ローンを借りれない可能性がでてきます。

お気をつけ頂きたいのは、金額が少額だから大したことないだろう。その考え方は通用しません。逆に大したことないことも守れない人を金融機関は信用してくれません。お家を購入されたいとお考えの方はしっかりとその点を踏まえてご利用くださいね。

金融機関はローンの申し込みが入ると、お申込者の個人の信用取引をチェックします。

クレジットカードの取引記録や携帯の割賦払い、車のローンなどの取引を確認します。そこにはどのような延滞をされたかも記録されているのでそこで金融機関はこの内容であれば、貸し出しOK.この内容の延滞であればNGとの判断をします。

不動産業界では「個信(こしん)」と呼んでいて、これに買主が引っかかってしまった場合、我々はどうしようもありません。

金融機関からNGがでればローンが利用できないためです。

・消費者金融等からのキャッシング

こちらも簡単にお金が借りられるサービスですよね。これを頻繁に利用していると、お金に困ってるのか?簡単にお金を借りる人ではないか?ちゃんとお金を返済してもらえるのか?

そのような観点から金融機関は判断しています。

・勤続年数・年収

一般的に言われるのが勤続年数3年以上とよく言われます。それ以下でもご相談できる金融機関は増えましたので、利用はできると思いますが、極端に短い場合(1年未満など)では、ご相談できる金融機関は限れてきます。

また年収によっても返済比率と呼ばれる年収に対して年間いくらまで返済しても大丈夫か?それを金融機関では考えています。

単純に年収が400万あって、金融機関の利息も1%以下。シミュレーションをしたら返済計画も問題ないだろうと、個人の方は考えるかもしれませんが、その前に金融機関独自の審査金利と呼ばれるものがあります。この審査金利で算出した結果、返済比率の中におさまって返済できると判断されないとOKがでません。


上記の事から、ご契約に進めていく前に色々とヒアリングをさせて頂いたうえでお申込みをするので、場合によってはお客様のご希望の金融機関をご利用頂けない場合もあります。内容によってお申込みできる金融機関が限定される可能性があるからです。

また、ご夫婦でご相談に来られる方では、奥様に内緒にしていた借り入れなどをされている方が稀にいらっしゃいます。ご面談でお話を伺っているときに奥様の前では話せないので黙ってお申込みする場合があります。すべてダメになるわけではないですが、先にそのお話を聞いていれば違った対応が取れる場合があります。

なので、奥様と一緒にいてる時にお話がしにくいようであれば、個別でお電話頂ければそれを踏まえてローンのご提案もできますので、お話しにくいこともあるかもしれませんが、誠実にお話しいただくことをお勧めいたします。



余談ですが、


・今までローンを組んだことが無い人

先ほどにも書きましたが、携帯電話を買取している。クレジットカードを持っていない。その他ローンでの買い物をしたことが無い。

そんな方の場合、ご年齢がわかければ問題ないのですが、ご年齢が40歳近くなって、該当する方もローンのお申込みができない可能性があります。

それは、自己破産等により免責を受けて今までの借入が無くなっている方なのか?本当に今まで借入したことが無いのか?書面上では金融機関も判断できません。そうなると、疑わしきは近寄らずということでローンの承認が下りなかったりします。

心当たりがある方は、携帯電話を新しく割賦販売で購入するなど、ローンでのご利用をしてみるとローンの借り入れ実績、返済実績がつきますので、その問題で指摘を受けないかもしれません。

私の友人でまさしくその状況になった方がいてます。今まですべてニコニコ現金払いで生活されてきたため、ローンの借り入れは一切なしでした。クレジットカードも一枚も持っていなくて、携帯電話も現金購入。そんな友人が家を買うために不動産会社を通してローンの申し込みをした結果、ローンが下りませんでした。

そのあと、クレジットカードを申込しましたがクレジットカードも否決。カードすら作れない。そこで携帯電話の割賦払いでようやく信用取引を利用することができました。

基本借り入れといえば借金になるので、あまり利用したくないとお考えになる方もいてると思いますが、住宅などを購入するためにはそんな経験が活きてくる。それを知っておいてもらうとよいでしょう。


本題に戻りますが、この融資条件は全額、一部のみでもご希望額の承認が下りないと契約を解除することができる定めになっています。各ひな型によりますが、自動的に解除なる文言や、解除することができる。という、可能性を残した言い回しなどあります。

融資条件の承認内容もそうですが、承認期日なるものを定めている場合はその期日が過ぎてしまうと同じく契約がなくなってしまいます。

一般的には住宅ローンの手続きを不動産会社さん経由でされる方が多いと思いますが、中には買主が直接金融機関へお申込みされる場合もあります。この場合、「買主自主ローン」と呼ばれます。不動産会社が介在するよりも買主が直接申し込みをする場合とでは進捗状況の把握とスピードが異なるため、契約時のお日にちは余裕を考えた設定をしておくとよいかもしれません。お仕事の合間をぬってでの作業となるためお気を付けください。

また買主が直接ローンを申し込むとき、買主の不手際でローンの承認期日までにローンの承認を得られない場合、契約内容によっては違約金を請求される恐れがあるので注意しましょう。

この融資承認が得られない場合は、契約解除となります。この場合、売主は預かっていた手付金を返金します。仲介会社が介在していても契約が無かったことになるので、仲介会社への手数料の支払は不要です。

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